100日ダイエットで80kg→73.4kg!仕事と共通する、3つの成功のカギ
2023.10.12
体重を減らしたい、健康のためにやせた方がいい、と頭ではわかっていても「最近何をしてもやせないし」、「運動も食事制限もイヤ」、「いつか、そのうち…」とダイエットに踏み切ることができない方は多いかと思います。
編集チームの元上司で、商社パーソンとして日々忙しく仕事に励む永弘さん(本名、47歳、男性)も、まさにそうでした。永弘さんは「いつか、そのうち…」タイプでした。その永弘さんに千載一遇のチャンス(?!)が訪れます。管轄する本部のグループ会社がダイエット関連アプリを開発!モニター募集を行うということを聞きつけた永弘さんは、このチャンスに乗じない手はない!と100日ダイエットにチャレンジ、見事にマイナス7kgという目標以上のダイエットに成功しました。
永弘さんに、ねほりはほり、ダイエット成功の秘訣を聞いてみたところ、仕事に共通する大事なことも見えてきました。
永弘 智 氏
東京大学法学部卒業、ケロッグ経営大学院にてMBA 取得。1999年、三井物産株式会社入社。アジア最第大級病院チェーンIHH Healthcare(経営企画部門)、アジア大洋州の医療従事者向け情報サービス事業MIMS(COO)に出向(在シンガポール)。帰国後、本社のIHH主管室長、戦略企画室室長を経て、現在、医療サービス・データ事業室室長、およびIHHの取締役を務める。
「その気になればいつでもやせられる」―それはいつ?…「今」でしょ!
――最初に、ダイエットスタート時の記録と終了時の記録を教えてください。
モニターのダイエット目標が体重の減少幅であることを知り、であればダイエット突入前にかさ増しをしておこう!という不届きな考えから、暴飲暴食を1-2週間続けた後に開始しました。スタート時の体重の記録は79.4kgでしたが、その勢いはスタート後も止まらず、実際には80㎏超まで行きました(笑)。グループ会社のためにもインパクトある結果をだしたいなと思いまして。また目標も74.5㎏と設定していたものの、ダイエット終了時には73㎏まで減量し、実質的に7kg減に成功したことになります。
――ダイエット直前に自ら体重を増やすとは…グループ会社を思う気持ちの強さと「どうせダイエットするんだから」という思い切りが
すごいですね。そして、7㎏もの減量とはすごいです。今でもキープされていますか?
それが・・・リバウンドをしてしまって、現在の体重は78kgです。
――お?!おっと、ほとんど元に…いや、マイナス1.4キロはキープされていますね。でも、すみません、このインタビュー企画もっと
早くやればよかったですね。リバウンドについては、ダイエット成功の話の後に教えてください。
ダイエットを始めた理由 ―何着スーツをだめにした?
――なぜ本格的なダイエットを始めようと思ったのですか?
正直、健康診断で血圧や脂肪肝の数値が多少悪くても、あまり気にすることもなく、「その気になればいつでもやせられる」と思っていました。
でも、これは太りぎみビジネスパーソンあるあるだと思いますが、スーツを着て靴ひもを結ぶ時に、お尻の部分が裂けてパンツをダメにしてしまうことが1シーズンに1着のペースであり、さすがにまずいなと(笑)。出張中に破けてしまった悲劇も過去にはありました。ジャケットはまだ着られるのに、パンツが破れたがためにセットで捨てるのは、もったいないじゃないですか。そう思っていたところ、グループ会社の保健同人フロンティア(以下、保健同人)が特定保健指導対象者用に開発したアプリ『パーソナルコーチング for ダイエット(特定保健指導)」』のモニター募集が始まりました。
モニターになることで、自分がダイエットに成功して、グループ会社のサービスの宣伝になれば一石二鳥!ということで、ダイエットを始めました。
――健康診断の数値は少し気にしたほうがいいかな、と思いますが…、グループ会社の宣伝に一役買おうとは、ビジネスパーソンの鏡!!
確かに、グループ会社の宣伝にもなって自分もやせられる、良い事尽くめですね。その他に、何かモチベーションはありましたか?
愛情がいつも私から一方通行の、小学生の愛娘に「パパ、かっこよくなった!」と言ってもらえたら嬉しいなという想いもありましたね。
――よっ、イクメン!!(笑)で、お子様からの反応はどうでしたか?
あいかわらずの塩対応です(笑)。きっと一番やせた時は心の中で「ましになった」くらい思ってくれていたと思います。
効果抜群、プロの力を借りてみる
――ダイエットをスタートさせる時、永弘さんはどんな気持ちでしたか?
20代を最後に一度も75kg以下の体重になったことがなかったので、74.5kgを目標に設定したのですが、これを達成出来たらすごいかも、と内心思っていました。なにしろ、この20年間、一度も到達したことのない数字ですから。簡単に達成できる目標を設定しても面白くないじゃないですか。モニター体験でプロの手も借りられるこんな機会はめったにないと思い、自分なりに攻めてみました。またグループ会社のサービスを活用するので、グループ会社のためにも後に引けない、絶対にやせてやる、と思っていました。
――今回、モニター体験できたのが『パーソナルコーチング for ダイエット(特定保健指導)』アプリですよね。アプリを使ってみて、
良かった点、ここはもう少しと思う点を教えてください。
このサービスでは、プロの管理栄養士が初回面談で、色々なアドバイスと共に目標設定を一緒に考えてくれて、その後、ダイエット期間を通じて見守ってくれるのですが、良かった点は、初回面談時の管理栄養士方からのアドバイスですね。一方的にアドバイスを押し付けるのではなく、それとなく自分自身の生活習慣のよろしくない点に気づかせてくれまして、その点に、傾聴のプロフェッショナリズムをとても感じました。私は、成○○井の新作スイーツに目がなくて、週末にそのスイーツを食べることを楽しみに日々頑張っているといっても過言ではないのですが、「ダイエットに良くない事実に見て見ぬふりをしてはだめですよ」と、話の流れの中で自然と反省をうながされ、気づけば懺悔している自分がいました(笑)。
もう少しという点は、ローンチ前のトライアルのため仕方ないのかもしれませんが、UI設計が不完全だった点ですね。目標体重にどれだけ近づいたか示す図が、せっかく順調に体重が減っていっているのに、目標に近づいているように全く見えないのです。でも、そういった不具合を指摘すると、グループ会社の皆さんがすぐに対応してくれるので、その姿勢にアプリ開発の本気度を感じるとともに、小さな不具合をみつけることがいつのまにかアプリを常用するモチベーションとなりました。
――スイーツ好きだったのですね、初めて知りました…!よくない習慣に自分で気付くことは重要な点かもしれませんね。アプリ以外に
何か助けになったものはありますか?
週末のパーソナルジムです。自宅の近くにあり、前から通っていました。プロのアドバイスで正しい姿勢で効率よく筋トレできますし、筋トレの苦しい最後の追い込みは、トレーナーさんがいてこそです。自分一人では絶対にできないです。なにより、そのジムは1回30分という時間設定なのが私のようなものぐさにはちょうど良く、気楽で継続できた要因かなと思います。
あと、Fitbitを腕につけて毎日の歩数を意識するようにしました。私の場合、家でリモートワークのときは1日約3,000歩、出社すると約7,000歩、通勤で1駅分多く歩くと約1万歩でした。なので、とにかく出社して、通勤で1駅分多く歩くことを習慣にしました。地味ですが、これは意外に効果があった気がします。
成功の鍵は社内SNS?
――ダイエット中に何か気づかれたことはありますか?
そうですね、意外だったのは自分より先に周りが体型の変化に気づいてくれた点ですね。 目標を社内で宣言すると自分にもプレッシャーをかけられるというのと、このダイエットの経過をリアルタイムで共有するのはネタとしても面白いかなと思い、社内SNSで発信もしていました。そのおかげでもあると思うのですが、自分が気づくよりも会社の周りの人が気づいて「スッキリした?」「やせたね!」と声をかけてくれまして、意外に気づいてくれるものだという発見がありました。
――たしかに永弘さん、社内SNSで体重を大公開されていましたね。毎回、記事内容も面白かったですし、本気度を感じました。
当時は、「自分の体重を不特定多数の社員の目にさらすなんて正気か」と言われましたが、逆にダイエットだけ記事にして体重を伏せるという選択を思いつきませんでした(笑)。戦略企画室の室長として社内コミュニケーションを盛り上げたいという想いもあって、ダイエットの目標や進捗状況を共有したのですが、周囲に見てもらえる状態にしたことで、後には引けないような状況に追い込むことができたと思います。実際、ダイエットに取り組む中で、周囲からの応援の力も大きかったです。社内の人たちが投稿に対してSNS上でリアクションをくれたり、実際にその話題で声を掛けてくれる人がいたり、応援してもらえたことはとても励みになりました。
ダイエット中に年末年始がやってきた!誘惑・苦境は、どう乗り越えたのか?
――ダイエットでは、誘惑にどう対処するか、とても気になります。また、オフィシャルな食事会や出張など、せっかく習慣化した
食や運動の習慣が崩れたりすると思うのですが、永弘さんはどうでしたか?
海外出張は一般的に言って、出張中は車移動が中心となるため運動量が減りますし、なにより日本と食べるものが違うので、体重が増えがちです。モニター期間中にマレーシアの海外出張が入っていたので、漫然と信じられている(?)この命題を検証してみようと思いました。サンプル数n=1の検証結果は、出張中の1日の歩数平均6,000歩、体重0.4kgの増加。意外にも微増に止まり、正直、拍子抜けした感じでした。
――それでも体重を微増に抑えられたのは良かったですね。出張中に何か気をつけていたことはありますか?
100日ダイエット中であることは、常に意識していました。そのおかげで、食事もお酒もボリュームをいつもよりは控えられたかもしれません。
――出張でもダイエットをずっと意識されて、しっかり体重増加を抑えられたのは、さすがですね!!秋から始まったダイエット100日間
モニターは、期間中に年末年始が入るという鬼のようなスケジュールでしたが、年末年始はどう過ごされましたか?
最初から、2カ月目は飲み会や忘年会が重なることがあらかじめわかっていたので、3-4㎏増加までは織り込み済みでした。結局は0.7kgの体重増加にとどまりましたので、むしろ減量したのも同然です(笑)!出張時もそうですが、100日間ダイエットの意識とアプリでの体重記録は、今振り返ると大きかったように思います。飲み会でも自然に飲む量や食べるものに気をつかい、ある程度の節制ができていました。年末年始でも体重の増減が抑えられたのは、ダイエットの意識と体重記録だったように思います。歩数と同様に、体重もFitbitの体重計で管理しておりまして、この体重計、精度はさておき(0.2kgきざみのユルさです…)、自動的に体重データがFitbitアプリに取り込まれるので便利でした。そのデータを手動で保健同人のアプリに記載していました。保健同人のアプリでも自動で体重データが取り込めるといいな、と思いました。
――全期間を通して最初に戦略的に検討されていたのですね。自分自身のダイエットを考える上でも大変参考になります。さて、多くの
ダイエッターが恐れる、年末年始シーズンを見事に乗り越えられてのダイエット3か月目は、どうでしたか?
ダイエットチャレンジの最終の1カ月は、私にとって試練の月でした。
年末年始の体重増加を避けることができて安心したからなのか、なぜか1月を過ぎて急に体重が増え始めるダイエット停滞期(?)に入りました。Fitbit体重計が壊れたのかと思いました。その後、繁忙すぎることを言い訳にちょいちょい昼食を抜くことによって、なかば強引で不健康なやり方ではありますが、何とか増えた分を減らすことができ、75kgに到達しました。
ところが、です。目標到達間近になったところで会社近くにある店で餃子とビールを楽しんだら、一晩で1.8kgも増加してしまったのです。いくらなんでも、一晩でそんなに増えることってあります?Fitbit体重計が壊れたのかと思いました(2回目、笑)。餃子とビールの強烈なインパクトにおののきつつも、これがむしろ私のダイエット魂に再び火をつけて、その後モーレツに運動に食事制限にといそしみました。気づいたら、目標体重を超えて73kgまで減量していました。
――おめでとうございます!たしかに、その時期の永弘さん、すらっとして、一皮脱いだような印象を受けました。成功して何か実感した
ことはありましたか?
ベルトにのっかるお腹の重量感がなくなりました(笑)。
これも太りぎみビジネスパーソンあるあるだと思いますが、以前は椅子に座った時に、お腹のあたりに圧迫感をすごく感じていました。減量後はその感覚が消え、快適になりました。おかげさまで、それ以来パンツをだめにすることもなくなりました。
仕事とダイエットの共通点
――永弘さんは会社でも、しっかり結果を出しているイメージですが、仕事とダイエットの共通点はズバリ何でしょうか。
仕事との共通点までは言いすぎですが、あえて挙げれば、リフレクション、コミットメント、そして楽しむこと、の3点ではないでしょうか?
一つ目のリフレクションは、自分を振り返ることです。仕事では、たった1分でも会議や交渉の振り返りをやるかやらないかで、その後の成長が全く違ってくること、ありませんか?時に「痛い」、「さむい」、「みっともない」自分自身のありのままを見て、受け止め、そこから理想的な姿に向かおうとする姿勢が大事だと思っています。
次にコミットメントです。同僚、家族、グループ会社、社内SNSなど周囲にダイエットを徹底的にコミットし、「絶対に負けられない戦いが、そこにある(?)」ところまで勝手に自分を追い込みました。応援してくれる人がいて、とても励みになりました。
最後は楽しむことです。日々の体重に上下に心が揺れますが、そのプロセスを楽しむことが大事と思います。オジサンの体重変化なんて誰も興味ないとわかっていつつも、あえて社内SNSで体重公開したのは、ダイエットのプロセスそのものが楽しくなると思ったからです。「海外出張は太る」命題や「一晩で1.8㎏太るビール餃子の謎」への検証など、テーマ設定しながら楽しんでいました。
これらは全て、仕事に通じるものがありませんかね。
たかがリバウンド、されどリバウンド
――今回は7kgのダイエットに成功されたものの、残念ながらリバウンドしてしまったとのことですが、リバウンドの理由として、
何か心当たりはありますか?
間違いなく、スイーツの全面解禁ですね(笑)。100日ダイエット中は、好きなスイーツを徹底的に制限していたのですが、終わってからはたがが外れたように、成○○井のスイーツコーナーに吸い込まれていきます。ダイエットの旅は永遠に終わりません。
――スイーツコーナーに引き寄せられるの、すっごくわかります!でもダイエット前と今では、体感的に違う点もあるのではないですか?
週2回のパーソナルトレーニングを継続しているので、たしかにお腹周りは以前よりスッキリした状態をキープできていますし、基礎代謝が高まっている感覚がありますね。何をガマンし、何歩あるけば、体重をいくら減らせるか、今回の体験で肌感覚としてわかりましたので、同じ期間設定で再現性があるか、今後試してみようと思っています。
――永弘さんは今回の経験を活かし、ダイエットに再チャレンジするのですね。次回はどんな目標にしますか?
次回の目標は73kgにします。さらにリバウンドをしないことも目標にしたいと考えています。
私は、「ウェルネス偏差値(ウェル値)」と勝手に名付けているのですが、夜寝る前に一日を振り返り、ウェルネスに良いことをやれば「ウェル値」が上がり、逆に良くないことをやれば「ウェル値」が下がるというスコアリングを、頭の中でつけるようにしています。今日はいつもより歩いたから「ウェル値」1上昇、お酒を飲み過ぎたら「ウェル値」2下降、といった感じですね。少なくとも毎日プラスマイナスゼロにしたいところです。「ウェル値」を上げたい一心で、まったく未体験だったのですが、先日新たにヨガを始めました。
――まさにダイエットは、常に変わりゆくモチベーションとの闘いですよね。お話をお伺いしながら初めて「臥薪嘗胆」の意味する
ところが腑に落ちたような気がします…。
最後に、今回のダイエットに挑戦したことで得られた新たな気づきについてぜひ教えてください!
何でも一歩を踏み出すといろいろなことが起こります。体重を減らせただけでなく、自分の食習慣の悪い癖や運動不足に気づくこともできたり、周りの人からの応援で温かい気持ちにもなれたりと、一歩を踏み出していなければ決して得ることのなかった収穫が多々ありました。「いつかやせよう」と思っている人は、すぐに行動してみてほしいです。1mmでも行動に移せば、きっと少しずつ色々な物事が動き始めます。そして、「ウェル値」が合計でプラスの生活を送りましょう。リフレクション・コミットメント・楽しむことで、仕事もダイエットも何事も、挑戦あるのみです!